京都商工会議所が地域支部の活動に力を入れている。事務所を1階に移したり、支部ごとに地域ニーズに合ったセミナーを開催するなど独自事業も展開し、商議所会員企業以外も広く支援している。
支部活動の強化は、顧客ニーズに合った企業支援を進め、「顔の見える京商」にするのが狙い。
支部は洛央(中京区)、洛北(左京区)、洛南(伏見区)、洛西(右京区)の四つあり、京商本部内に入る洛央を除き昨年3~8月にビルの階上から幹線道路沿いの1階に移した。個別ブースなどの充実を図り、経営支援員が待機している。
支部の独自事業も始めた。洛北支部ではすでに融資や納税、販路開拓などをテーマにしたセミナーを4回開催。1月には地元の税理士が「税務調査の心得と準備」と題して講演した。定員30人を上回る申し込みがあり、企業経営者らが熱心に聞き入った。同支部の中川雅貴事務長は「地域の企業経営者のニーズに合った催しを企画している」とし、手応えを感じている。
洛南支部も1月に伏見の酒造業についてセミナーを開き、市民ら80人が地場産業に理解を深めた。洛西支部も昨年9月に経営セミナーを開催。洛央支部は、2月9日に飲食店経営力向上セミナー「繁盛飲食店は今、何をしているのか」を予定している。
新年度からは各支部が「支部別地域活性化会議」を設立する予定で、地域振興に向けた課題を探り、解決策に知恵を絞る考えだ。
支部活動の充実は京商の会員拡大にもつながっている。会員企業は昨年3月末で1万576社だったが、今年1月25日には1万1595社へ千社以上増加した。
京商中小企業経営相談センターの龍不可止所長は「支部は地域の顧客に一番近いところにある。顧客が求める経営支援策を探り、提供できるよう企画力を高めたい」と話している。(上野正俊)
※2011/02/05 京都新聞掲載されました。>>詳細はこちら